2016年9月22日木曜日

夏を締めくくるNESTロボコン2016

OB、卒業生らと交流の場に、小学生〜高校生160人集結!


8/28(日) 東京都立産業技術高等専門学校で、「NEST ロボコン2016」が開催されました。
小学生から高校生まで、過去最高の約160名が参加。
競技のほかに、ロボカップ2016ライプツィヒ世界大会報告会、ロボットサッカープロジェクトのサッカー競技交流会、レスキューMazeやCospaceレスキューのデモなど、盛りだくさんの内容を、保護者、指導者、NEST卒業生やロボカップOBらの協力の下、無事終了することができました。

2005年、NESTの前身「RISE科学教育研究会」から開始した同ロボコンは今年で12回目。
ロボットを学ぶ子どもたちにとって、年間行事の一つとして定着してきたことを嬉しく思います。

競技のルールや課題は、ロボカップジュニア世界大会のスーパーチームルールに沿いながらも、取り組みやすくかつ興味を持ってもらえる内容に常にアレンジメントしています。
これらは、卒業生やOBの意見やアイデアが大いに採用されています。
「自分だったらどうするか」、「簡単過ぎては面白くない」、「このぐらいの課題は乗り越えてほしい」など、現役で本気で取り組んでいた時期があるからこそ、チェックは厳しいのです。

そんな彼らが絶対に許さないことは「自分で作っていないロボット」。
保護者や指導者が手を貸し過ぎていたり、先輩のロボットを理解もしないでただ引き継いでいたり…
あってはならないことですが、そんな現実と戦ってきた経験が、彼らを強くしてきました。
正しいロボコン仲間(ロボカップでは“ロボカッパ−”と言います)を増やしていくべく、OBや卒業生たちは「自分たちになんでも聞いてほしい」と口をそろえていいます。
「なぜ、質問してこないのか?」とも。
質問をすれば、快く聞いてくれます。ただ、なんでも教えてくれるわけではありません。
でも、たくさん質問をした子供は、たくさんのことを学ぶようです。
指導者や保護者の立場である“大人”が「教えてしまう」こととは比にならない学びがそこにはあるようです。

そんな機会を設ける目的でもあるのが、NESTロボコンです。
参加者のみなさん、たくさん質問できましたか?

2016年9月21日水曜日

ICT科学キャンプ2016 活動報告

201689日(火)〜11日(木)の23日、参加者14名、スタッフ8名、
場所は八王子の高尾でICT科学キャンプが実施されました。

1日目
ICT科学キャンプの最初の活動は高尾山登山とデータロギングです。4グループに分かれ、それぞれ別の登山ルートを登りました。登山中には、LEGO MINDSTORMS EV3をデーターロガーとして周囲の明度と温度をロギングしていきます。それと同時に登山中に明るさや肌で感じる気温の変化があった時間と周囲の状況を記録していきました。
それぞれのルートを登りきり、山頂でお弁当です。昼食後は観察しながら下山しました。
下山後は、宿泊場所となるわくわくビレッジに移動。一息ついてからテント設営です。グループに分かれて、自分たちのテントを組み立てました。
夕食後は、登山でロギングした結果と自分たちが感じた変化の記録を比較しながらデータの解析活動を行いました。
登山ルートによって異なる結果が見られましたが、グループごとに考察の結果を発表し1日目の活動を終えました。

2日目
時間について考える活動から始まりました。じっと何もしないでいる時の5分間とレゴで楽しく遊んでいる時の5分間では感じる長さが大きく違うことに面白さを感じられたようです。
そして、時代とともに変化していった時計作りを体験。
まずは日時計を作り、日時計の影の位置が1時間に15度ずつ変わることを理解し、地球の自転が約24時間で1周することを学習しました。
続いてより正確に1分を計れる時計作りにチャレンジ。火時計、水時計、砂時計の3種類から各グループ選びました。いろいろな素材を使って各グループとも時計づくりに没頭していました。かなり精度の高い時計もできあがり、得意げな様子の子供たちでした。
できあがった時計でゆで卵作りにチャレンジ!ゆで時間を自分たちで作った時計で計り、調度良いゆで加減のゆで卵を目指しました。

午後からはデータロギングを使って、振り子の等時性について調べる実験を行いました。振り子の周期の変化に何の要素が影響するかを予測し、実験をしていきました。重さ、振幅、長さなどそれぞれの要素を調べ、ロギングしたデータから長さに変化が現れることを発見する事ができました。

夕食は、サラダ作りにチャレンジ!市販のドレッシングの味から成分は何かを考え、自分たちでドレッシング作りにチャレンジしました。作ったドレッシングでサラダコンテストを開催。各グループとも自分たちなりのテーマでサラダを表現しました。
そして2目の最後はキャンプファイヤーを楽しみました。

3日目
午前中は、ロボットとデータロギングを使った年輪探査シミュレーションです。ロボットに搭載されたセンサーで年輪が描かれたフィールドをデータロギングし、ロギングしたグラフから樹齢を当てる課題です。基本的な学習を行った後、競技に入りました。競技の年輪フィールドの計測は子供たちに見えないところで行われるので、ロボットが記録してきたグラフから読み解く必要があります。見事正解者も出てとても楽しい活動になったようです。
 
午後は、データロギングを使った暗号ゲームです。モールス信号を暗号化したもの発信する機器をロギングしたグラフから暗号の示す場所を導きだし、時限装置を止めるためのヒントをもらってきます。どれだけ早く暗号を解けるかチームの協力と分担が鍵となります。見事クリアしたチームは、チーム内での作業分担がうまくいっていたチームでした。
 
最後の活動はプロジェクトワイルド。東京都練馬区の70年近く前の航空写真と現在の航空写真を比べ、環境の変化について調べ、そこから発見したことまとめました。そこで感じた課題を元に未来の街づくりにチャレンジ。いくつかの条件をもとに各グループでレゴを使って街作りを行いますが、住みやすい街にするために街の条例についても考えていきました。それぞれに工夫や街に残された課題などをまとめ、閉会式にて発表しました。それぞれ作り上げた街を組み合わせてみると自分たちが作り出した街の範囲だけでの解決策も隣の町から見ると新たな問題点が見えてきます。更なる課題に対し、日々問題解決していく事の重要性も感じられたようです。

盛りだくさんのキャンプでしたが、ケガや病気もなく、また天候が心配されましたが、予定されていたスケジュールは変更なく実施することができました。
来年も201788〜10日で実施予定です。
皆様の参加を楽しみにお待ちしております。



2016年9月16日金曜日

ICTオーシャンプロジェクト2016の活動報告

201682日(火)~3日(水)の12日でオーシャンプロジェクトを実施しました。
場所は神奈川県真鶴町です。
当日ははっきりとしない天候で、予定通りの活動ができるか心配でしたが、現地に到着すると徐々に天候が回復し、スケジュール変更なく実施することができました。

1日目
参加者8名、スタッフ3名で実施しました。
真鶴駅に集合し、バスにて琴ケ浜海岸へ移動。
2グループに分かれてシュノーケリング、磯観察の活動を交代で実施しました。
磯観察グループは、磯の生き物を探しタブレットで写真を撮影していきました。海ということもあり、魚を探す子供たちが多くいましたが、その他のカニやエビ、海藻、貝類などさまざまな種類の生き物を発見できました。
同時に、潮の満ち引きの観測も行いました。目印となる棒を海に立て、30分ごとに水深を計測していきました。海全体の様子は定点観察カメラで1分ごとに撮影していきました。
シュノーケリング体験では、初めての子も多かったようですが、インストラクターの指導のもと、海の中を観察し生き物を見つけて喜ぶ姿が見られました。


活動終了後、宿泊先に移動し夕方からプランクトン観察活動を実施しました。
プランクトン観察はNPO法人ディスカバーブルーの水井先生をお招きし、プロの視点から採取方法から観察の手法までご指導いただきました。
夜の海にでてプランクトンネットを使い子供たち自らプランクトンを採取しました。肉眼でも見えるプランクトンを発見した子供たちは大興奮でした。
その後、宿の広間を使って顕微鏡で採取したプランクトンを観察しました。さまざまな種類のプランクトンを見つけ、観察記録をつけていきました。夜光虫が光を放つ様子を観察した時は全員が大きな歓声をあげていました。



2日目
起床朝食後、朝の散歩にみんなで出かけました。
海沿いを歩き、いろいろな船や釣り人の様子、海辺の生き物を見た後、真鶴の貴船神社にお参りしました。100段以上の階段のある神社でしたが、子供たちは元気に上って行きました。
その後宿に戻り、広間にてまとめ活動を行いました。

地球上の海と陸の比率を地球を模したビーチボールを使ってゲームをしながら調べると比率が海7030陸という結果がわかり、宿題で調べて結果と同じことに子供たち自身も驚いたようです。
潮の満ち引き観察の結果まとめでは、定点観察カメラで撮影した映像と自分たちが観察した記録を照らし合わせながら確認しました。その場ではあまり感じていなかった海の変化を記録映像で目の当たりにして満ち引きを実感できたようです。
磯の生き物まとめでは、観察時に撮影した写真を使って、種類ごとにマッピングする活動をタブレットで行いました。初めて使用するマインドマッピングアプリでしたが、子供たちはすぐ理解して操作していきました。種類についてもしっかりと分類ができ、きれいなマップが完成しました。

海流実験では、海流の変化を塩分濃度による違い、温度による違いから観測しました。徐々に変化する海流の流れをじっと見入る様子が見られました。また、海流に乗ってさまざまな場所にゴミに見立てたプラスチック片が移動する様子を見て海流ごみ問題に関心を持ってもらいました。
海流実験を受け、海流ごみ問題について考えてもらいました。海流ごみが世界中に広がっている現状とゴミによる問題を確認し、海流ごみを解決するロボットづくりに挑戦しました。LEGO社のWeDo2.0を使用し、海流ゴミ回収ロボットを制作しました。さらに、プログラミングを行ってリモートコントロールでゴミを回収する実験をしました。
ロボット操作、プログラム作成でも子供たちはすぐに順応し使いこなすことができていました。

天候に恵まれ、病気、けが等の問題もなく充実した活動を実施することができました。
帰りの電車の中では、すっかり仲良くなった子供たちの楽しそうな話声を聞くことができました。ありがとうございました。

来年度も実施します。興味のある方はぜひご参加ください。